人生で初、2回も映画館へ足を運んだ傑作、『THE FIRST SLAMDUNK』

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先日映画館に訪れたら、ミッションインポッシブルの新作が告知されてた。5作目よりシリーズ化されており、新作は2部構成での上映です。トム・クルーズ演じるイーサン・ハントの勇姿を、スクリーンで早く観たいです。

人生で初、2回も映画館足を運んだ傑作、『THE FIRST SLAMDUNK』

年末に年越し蕎麦を食べた後に、日本橋の映画館で上映してる『THE FIRST SLAMDUNK』を鑑賞してきました。想像以上に傑作で、昨年観賞した映画の中では、『トップガン マーベリック』が個人的にはナンバー1でしたが、『THE FIRST SLAMDUNK』がトップになりました。

公開前からストーリーの内容等が、一切クローズ状態で、テレビアニメ当時の主人公を含む湘北メンバーの声優は総交代が報じられると、昔からのスラムダンクファンは、声優総交代について賛否両論が繰り広げられた。色んな批判が渦巻く中で有ったが、上映後には拍手喝采の雨嵐。批判した人々は謝罪に終われる始末。

上映開始から5週連続1位(2023年1月1日現在)と、スラムダンク人気は凄まじく、全世界興行収入1位の『アバター』の続編は、世界各国で初上映1位を獲得する中でも、日本においては1位に輝く事が出来ずにいる珍事が発生してます。

—-ここからはネタバレになるので注意を!—-

冒頭が、幼少期の某兄弟の1on1対決から始まり、有名なアニメ監督やアニメーターでは描けない漫画家ならではの、斬新なオープニングシーン。バックに流れる悪びれたロックロールのサウンドがガンガンとホールに鳴り響きながらの、湘北メンバーの問題児達が登場。

声優交代で問題になったが、イントロが幼少期から入ってるのと、コート狭しに暴れる湘北メンバーを観てると、出だしから声優の違和感を感じさせない。少年時代にテレビで観てたアニメ『スラムダンク』は20年の時が過ぎて、映画館の大スクリーンに描き出す『THE FIRST SLAMDUNK』が大人の観るアニメ映画へと昇華している。

知らない人には初めての、
知ってる人には、
知ってるけど初めて見るスラムダンク。(井上雄彦)

冴え渡る井上雄彦の演出

美内すずえ作『ガラスの仮面』の「忘れられた荒野~狼少女ジェーン~」の稽古中に、出演者達に向かって、演出家はライターを角度を変えながら、これは何に見えるかと問いかける。勿論、何処から見てもライターはライターである。しかし、演出家は「シナリオは同じでも演出の仕方によっては喜劇でも悲劇にもなる」と問答である。

既にスラムダンクを知ってる方には、ストーリー(あらすじ)をご存知の方も多いでしょう。そんな中、20年が月日が過ぎて、色んなアイディアや考えを浮かぶなかで、井上雄彦氏は、新たに再構築(演出)をして『THE FIRST SLAMDUNK』を作り出したのである。

技術面でも3DCGの導入が大きい。表現されるバスケットボールの試合が、まさしく“本物の試合”であるかのように、CGを駆使して高いリアリティで映し出されている。

選手たちは常に躍動し、ダンクシュートやリバウンドなど決定的なプレーはもとより、ディフェンスで自陣へ戻るために後ろ走りをしている光景など、一見地味に感じられる瞬間も余さずとらえている。

全ての根底にある従来のストーリを一度破壊し、新たな発想で幅を広げて、登場人物の内面をえぐり、独創的なアプローチで、これまでにない映像世界を作りあげて、万人受けをする井上雄彦氏の演出には、正に神がかってる作品であるとしか言いようがない。

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ラストシーンの井上氏のメッセージ(個人的解釈)

激闘を繰り広げた試合から2、3年後。異国の地のバスケットコートで見つめ会う2人。なぜ異国の地でバスケが出来るのかと不思議に思った人が多いだろう。ましてや、エンディングシーンに。

皆さんは「スラムダンク奨学金」の存在をご存じだろうか。スラムダンク奨学金とは、スラムダンク作者の井上雄彦氏の「読者とバスケットボールに恩返しする」という熱い気持ちから2006年に創設された奨学金制度のことです。奨学金の原資は、『スラムダンク』の印税の一部と、有限会社アイティープランニング、株式会社 集英社の拠出金で成り立っています。

奨学金の内容は、高校卒業後も競技を続けることを希望する高校生を対象とし、奨学生はアメリカの大学へ進学することを目的としたプレップスクールに派遣される。そして、バスケット選手として、本番アメリカ大学へと進学を目指す制度である。

経済的な理由で高校卒業後は、バスケットボールを断念する高校生達への活路を開く同時に一流のバスケットボール選手を育成する目的の奨学金の制度なのだ。

昔は不良少年がスポーツを通して更正されていく姿を描く漫画が多く存在した。スラムダンクも例外ではなく、主人公桜木花道を含む、湘北メンバーは問題児が多くが当てはまる。しかし、彼らは挫折を味わいながらも、そこで諦めずに自分の力で再生していく姿を、描いた作品が「スラムダンク」の最大の魅力ではないだろうか。

井上氏は、貧困層が多くなった日本においては、才能が有っても、経済的な理由から、バスケを続ける事が困難であろうとも、挫けずにバスケを続けて欲しいと、メッセージがラストシーンに込められていたと、個人的な見解で思います。

劇中では、高校卒業後もバスケを続けたいと思った登場人物は、スラムダンク奨学金を利用して異国の地でバスケを続けてるのかもしれない。そして、それは誰だかは、是非映画館に赴いて確認してください。

私は同じ映画を2度も、映画館で鑑賞するとは、人生で初です。ツレが居ないから独りで鑑賞してるせいも有るでしょうが、試合の後半戦から終了まで涙腺が崩壊してます。勿論、ファン必見のたぷたぷシールもゲットしました。

映画館に親子でスラムダンクを観に来てる家族が多く見られます。お父さんがスラムダンクが好きで、お子さんを連れて観に来てるのでしょうか。映画を観て、感動して、バスケを始めて、NBA選手になる子が将来現れるかもしれないです。興味の有る方は、是非映画館に足を運んでみては如何でしょうか。