疾病に悩まされるシルブロン、歓喜の初勝利♪

一口馬主

2021年のダービーが終わった。競馬とは血統の重んずるとはいえ、皐月賞制したエフフォーリアがダービーでまさかの2着。父も祖父も母父もダービーは2着と言う血統はレース前から話題に上がってましたが、レースを終えて競馬の奥深さに驚嘆します。しかし、そんなエフフォーリアの血統は、秋以降は更なら飛躍をする血統でもあります。無事に夏を過ごして秋の大一番の菊花賞を目指して欲しいです。

疾病に悩まされるシルブロン、歓喜の初勝利♪

レース後、直ぐにノーザンファーム天栄に移動し、スタッフに全身メディカルチェックを受けたシルブロンくん。天栄担当者からのコメントは「こちらに戻って来て馬体を確認しましたが、特に異常は見られなかったことから、早速坂路コースでの乗り込みを行っています。稲垣幸雄調教師とは、出来れば優先出走権がある内に出走させたいと話しており、今のところ来週の検疫で帰厩させて、第2回東京開催最終週のレースを目指していく方針です。馬体重は480㎏です」との事。
レース後、シルブロンくんは激闘のせいなのか、カリカリした一面を見せてたので、一度検査の為に、ノーザンファーム天栄で戻ったのですが、特に馬体や懸念の呼吸器系にも異常が見られないので、稲垣調教師と天栄スタッフの協議の結果、東京競馬場が開催中にもう一戦臨みたいと方針決定。8月中の未勝利脱出は必死なシルブロンくんですが、競馬番組表を見て1800~2000mの芝レースは東京最終週には施行されてなく、思わず愕然!どうなるのかと思ってたところ、直ぐ大本営からのお知らせが!

稲垣幸雄調教師「ノーザンファーム天栄へ移動後も状態に問題はなかったということなので、今日の検疫で帰厩させていただきました。優先出走権のある内に出走させたいと考えていますので、10日競馬にはなりますが、来週の東京の芝1,800m、もしくは芝2,000mでの出走を予定しています」

満身創痍なシルブロン、10日競馬敢行

皆さん、シルブロンくんは謎の呼吸器系の持病持ちなのを知ってますよね。競走馬は経済動物とは言え、まさかまさかの10日競馬を敢行。驚愕の一言に尽きます。
しかし、日本最高峰の設備スタッフが揃うノーザンファーム天栄です。シルブロンくんの様態をチェックして問題がないと判断したのでしょう。シルブロンくんが戦闘機なら、ノーザンファーム天栄は不沈空母いったところでしょう。そうすると、トレセンは一体何なのかとなりますが、それが今の競馬界の闇の部分でも有ります。話しは脱線しましたが、トレセンに戻ったシルブロンくんですが、呼吸器系以外にも新たな疾病が見つかりました。

稲垣幸雄調教師のコメント
「先週は金曜日に南Wコースでサッと時計を出してみたのですが、動きに問題はなかったものの、徐々に右前脚に骨瘤が出て来てしまっています。動かして行って気持ちが入ってくると気にならなくなるのですが、触診では反応していますし、競馬に向けて今後もしっかりとケアしていきつつ進めていきます。そういった状況なので、26日の追い切りは坂路コースを選択しており、あまり負担が掛からないように単走で終いサッと脚を伸ばす形を採っています。時計的にも全体で57秒くらいにセーブしていますが、楽な感じで最後まで走れていて、身のこなしは良かったですし、前回調整時よりもトモの具合も一段階良化しているように感じました。坂路で走っている最中や走り終えて厩舎に戻る間にも、特に右前を痛がる素振りは見せませんでしたし、予定通り今週の競馬に向かうことにしました。前走から間隔が詰まっているので、骨瘤を除けばフィジカル的な部分に不安はありませんし、勝ち上がりまであと一歩のところまで来ていますから、ここで何とか決めてもらいたいところです。なお、想定を見て検討した結果、芝1,800m戦の方に北村宏司騎手で投票させていただきました」

呼吸器系が少し治ったと思ったら、今度は骨瘤が発症するとは。シルブロンくんはついてないですね。骨瘤(こつりゅう)は主に管骨の内側や外側、若しくは両側に発症する瘤状(こぶじょう)の隆起で、骨瘤が中筋(中骨間筋)も掛かると痛みが生じることが多く、治癒するまでに時間を要します。残り2ヶ月ちょっとで引退することになるシルブロンくんにとっては骨瘤まで発症するとは、是が非でも未勝利を脱出して、治療に専念して欲しいです。稲垣調教師の見立てですと、出走可能と判断を下しました。屋根も前回と同じく北村騎手と万全の配置でレースに臨むのです。

シルブロンくん、遂に歓喜の初勝利

ダービーの前日の未勝利戦に登場したシルブロンくんは、満身創痍の状態で、8月未勝利戦終了とシルブロンくんの全身治療を考えると、是が非でも未勝利脱出が欲しい一戦です。大本営発表(シルクホースクラブ)は以下の通りです。

5/29(土)東京3R 3歳未勝利〔芝1,800m・15頭〕
シルブロンくんは3人気でパシュファイヤー着用。返し馬先出し。五分のスタートから、道中はやや促しながら中団辺りで競馬を進めます。直線へ向いてからは上がり3ハロン最速の脚で追い込んでくると、ゴール前で計ったように前の馬を差しきり、5戦目で初勝利を挙げています。
稲垣幸雄調教師のコメント
「前走後に短期でリフレッシュを挟んだとは言え、間隔は詰まっていましたので、いつもより気持ちの昂りはあったかなと思います。そして、前走では鼻は終始鳴らなかったのですが、今日は返し馬の段階で鳴ってしまっていたので、レースに行ってどうなることかと非常に心配しました。しかし、北村宏司騎手は『レース中は特に鳴らなかった』と言っており、この馬本来のパフォーマンスを見せてくれましたし、とても良い内容で勝てましたね。その他、北村宏司騎手のコメントは『ペース的にはもう1列前で競馬をしていれば良かったのでしょうが、気持ちや馬のリズムを優先して中団から進めました。前走同様に直線に入ってから長く脚を使ってくれましたし、やはり東京のような広いコースは合いますね。ただ、道中は少し他馬を気にしているところがあり、促した部分はあるのですが、もしかするとパシュファイヤーを着用して視界を遮っていることが、不安を煽っているのかもしれません。心身の弱さがまだある馬ですので、成長してくれればもっと走ってくると思います』とのことでした。依然として鼻が鳴る原因と言うのは掴めませんし、今後も何かしらの対策は必要でしょうが、何とか1つ勝つことが出来ましたので、馬具を含めて引き続き色々と試行錯誤しながらレースを使っていければと思います。レース後は中間に出た右前骨瘤の状態を確認して、問題無ければ一旦牧場へお返ししたいと考えています」

スタートは五分の走りで、欅を目指すシルブロンくん、道中外から前進する競走馬に手綱を抑える仕草も見えて、ヒヤリをしましたが、4コーナーを周り直線に向くと、大外から一気に駆け上がってくるシルブロンくんの勇姿は、父トーセンジョーダンが勝った天皇賞を彷彿させる走りに、思わず身を乗り出さんばかりに応援して、じわりじわりと逃げ切りを目指す馬をゴール板手前で見事に差し切り優勝。疾病に悩まされるシルブロンくんにとっては、このタイミングで未勝利脱出は実に大きい成果です。稲垣先生、稲垣厩舎スタッフの皆様、ノーザンファーム関係者様、そして出資者の皆様、抜群の好騎乗を魅せていただきました北村騎手本当に本当に初勝利ありがとうございました!!嬉し涙でました。競走馬として益々高みを目指して頑張ってね、シルブロンくん。