帝王学『貞観政要』の読み方 を読んで

本、CD、DVD

今日は通勤途中にスマホで朝のネットニュースを閲覧したら、気になる見出し、『猫バンバン』
最近は猫ブームなので、そんな投稿のニュースかなって閲覧すれば、冬の寒い日に「猫バンバン」の広がりが。。。
気になりますね、記事を読めば、車を走らせる前に車のボンネットをバンバン叩いて、エンジンルームに潜り込んだ猫に知らせる為の行為で、日産自動車が公式ツィーターからの「猫を死なせない様に」の呼びかけの記事でした。
人間だけが寒くなく、自然の動物も同じですね。そんな可愛い動物への愛情ある行為は心が温かくなります。

帝王学『貞観政要』の読み方 を読んで

そんな優しい人間も時には冷徹な人間に変わります。変わったら最後、とめどもなく下り坂へ転がり込みます。一人なら構いませんが、それが会社の社長、国家のリーダーなら生殺与奪を行使してとんでもない社会や生活になります。それを戒め、そうならない様なるためのリーダーの教科書、それが『貞観政要』です。

山本七平氏の綴られたこの本は、ある意味『貞観政要』を訳書ではなく解説本です。著者も作中に書かれてますが、昔から長い時代に帝王学として愛読された『貞観政要』は戦後を過ぎてからは、姿を消します。ハリコン自身も読み終えてこれだけの名著が何故消えたのか不思議で、ネットで検索したら5、6冊しか見つかりませんでした。しかも解説書の類です。不思議ですね(^^;;

『貞観政要』が編纂された時代は、中国の唐の時代、則天武后がこの世を去った後ですが、内容は貞観の治で知られる長い乱世の世が終わり隋が天下統一を果たしますが、短命で終わり政権を握った唐の立役者が唐の太宗の時代です。
日本でも同じ時代が存在し、鎌倉幕府と江戸時代。ちなみに、源頼朝、北条政子に徳川家康もこの著書を愛読し、その後の長い安定政権の参考にしたと著者は訴えてます。

では、唐の太宗は人間として素晴らしいリーダー、皇帝だったのでしょうか?それは著書に譲るとして、かの有名な名文から読み手に問いかけてきます。

「草創と守文と孰れが難きや」

『貞観政要』を知らなくてもこの名文は聞いたことがあるのではないでしょうか?
創業の時の苦しみと安定期してからの運営の維持は、どちらが難しだろうか?との、太宗の問いかけで始まりますが、答えも作中に譲るとして、中国史上でも名君ので知られる皇帝太宗は色々と臣下に問いかけます。何も太宗は何も知らないから臣下に問いかけるのではありません。太宗は謙虚に兼聴な姿勢で、偏心を捨てる為と作者は綴ります。
確かにハリコンの感じたのは、太宗は自分の考えが合ってるか、正しいかと鏡の役割で臣下の問いかけることで思考の修正をしていたのだと思います。そしてそれが間違ってた時は怒りの偏心を捨て、謙虚にその意見を取り入れてる姿勢が素晴らしく思います。ハリコンの会社の上司もこうだとありがたいと思いますが、そう上手くいかないのが、この世の常(笑)

特に、ハリコン自身感銘を受けたのが、「実需」虚栄心を捨てるの章です。
人間とは欲深く見栄の塊と言っても過言では有りません。ましてや、権力を持つ人はその力を奮いたくなる誘惑に取り憑きます。実際に奮われたら大変ですが。。。
「嗜欲喜怒の情は、賢愚皆同じ」で、賢者でも権力を握れば愚者になる。どんなに有名な人でも周りからチヤホヤされて虚栄心が生まれ過ちに犯す生き物です。

では、『貞観政要』は何故作られたのでしょうか?
それは人間だれでも賢者ではなく、太宗のような偉大な人間では有りませんが、太宗が行ったように心がければ民衆に幸せを与える事が出来ますとの意味合いで編纂された著作です。

今、この投稿を綴る時に、清原選手の逮捕の一報が流れました。彼ももしこの本を読んでいたらと思うと、何とも言えない気持ちになります。

気になった方は一度読まれてみては如何でしょうか?