火曜サスペンス劇場に出そうな神社『大洗磯前神社』

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今回は茨城県の大洗地方に伺いました。目的はお花畑なのですが、その前に色々と観光をしながら本やウエブでチェックした場所を巡りながら、行きたかった場所に訪れたくて行ってきました。高速道路で水戸方面まで車を走らせ、水戸大洗で降りて、一路茨城県大洗町へ、今回訪れるのは『大洗磯前神社』です。

火曜サスペンス劇場に出そうな神社『大洗磯前神社』

一ノ鳥居

二ノ鳥居

『大洗磯前神社』の由来は?

「日本文徳天皇実録」によると、斉衡(さいこう)3年(856年)に常陸国鹿島郡の大洗磯前に神が現れたとされてます。

ー 有る夜、製塩業の者が海に光るものを見た。次の日、海辺に2つの奇妙な石があった。両方とも一尺ほどだった。さらに次の日には200あまりの小石が怪石の周りに侍坐(じざ)するように出現した。怪石は彩色が派手で、僧侶の姿をしていた。神霊は人に依って「われは大巳貴命(おおなもち)・少彦名命(すくなひこなのみこと)である。昔、この国を造り終えて、東の海に去ったが、今人々を救うために再び帰ってきた」と託宣した ー

「日本文徳天皇実録」斉衡3年12月戊戌条より抜粋

大巳貴命とは、「古事記」「日本書紀」に登場する日本神話の神です。別名では国津神の代表的な神であり、出雲大社の祭神で有ります。
少彦名命とは、波の彼方から来訪して大巳貴命の国造りを行う時に協力した神。国作りが終えると、常世の国へと渡り去ると言う逸話有ります。

上記の日本の国作りを行った神々が舞い戻った土地として、2社で対の宮として「大洗磯前神社」(大巳貴命)と「酒列磯前神社」(少彦名命)を創建しました。857年には官社となり、同じ年の10月には「大洗磯前薬師菩薩明神」の号を賜りました。927年には延喜式神明帳にも記載され式内社となったのですが、その後に襲った戦乱により社殿は消失し長らく廃れ果てますが、江戸時代に入り水戸藩主徳川光圀・徳川綱條により再興を果たし、現代では海岸に立つ鳥居で有名な神社として人々に愛されてるのです。

只今建替え工事中!!

まるで威嚇してるような狛犬

何とも凛々しい狛犬

拝殿

『大洗磯前神社』の御利益は?

大洗磯前神社の御利益と聞かれれば、縁結びの御利益が有ります。主祭神である大巳貴命は縁結びの神様とされてますが、縁は男女に限らずに人が幸せになるための全ての結びつきを言います、友達や家族、仕事仲間など、さまざまな縁を結んでくれる神様で、出雲大社の祭神で有名でも有ります。

大洗磯前神社は、本来は海と家庭の安全を願う神社としても有名です。この他にも「商売繁盛」「病難治療」「開運厄除」とオールグランドの御利益の有る神様としても有名ですが、ココで忘れていけないのが、対の宮「酒列磯前神社」です。

大洗磯前神社に参拝をした際には、「酒列磯前神社」にも足を運んで下さい。運気パワーが倍の倍に強まるでしょう。

拝殿

龍の彫り物が睨んでます(笑)

細部に凝った細工が施してます

本殿(中が見えず残念)

「ガールズ&パンツァー」の聖地として!

さてと、最近はアニメとコラボして地域活性化の行う自治体が多いですが、大洗町もアニメ『ガールズ&パンツァー』で登場してる来るシーンが大洗町をモデルにしてるため、多くのファンが聖地巡礼として訪れます。

ガールズ&パンツァー』はタイトルどおり、女子学生が戦車を乗りこなす青春活劇のアニメで多くのファンに愛されてる作品で、街のアチラコチラにポスターが貼られてます。貸出用自転車も『ガールズ&パンツァー』の登場キャラクターが描かれてます。

大洗磯前神社も聖地スポットで、訪れたファンは拝殿をしてから多くの絵馬を奉納するのですが、多くは登場キャラクターを描いた絵馬が多く、絵馬の文章もアニメになぞられた願いが多く、訪れた時は若い男女が参拝をしてました。

劇中にシーンに出る拝殿までの階段

絵馬はガールズ&パンツァーの絵馬も

拝殿横の戌の絵馬

昔は拝殿両脇にカエルが鎮座してた

神々の降臨地「神磯の鳥居」の神秘

大洗磯前神社を参拝した後、もう一つ見逃しては行けないスポットが有ります。大洗磯前神社の二の鳥居と反対方向に海岸へと歩いていく岩礁の上に立つ鳥居を発見。そこに存在する鳥居こそ『神磯の鳥居』です。「日本文徳天皇実録」では、大洗磯前にて神々が降臨されたと書かれてます。鳥居が設置されてる場所が、まさに神々が降臨された場所と言い伝えられてます。

海岸から岩礁に立つ鳥居を見てると、太平洋の荒波が打ち寄せてくる光景は、圧巻の一言。波の音を聞きながら、荒波を眺めてるだけで心が安らぎます。
神様が降臨した場所は、神聖として岩礁には登らないようにしてください。転落事故で多くの死傷者が後を絶たないようです。

昔、大洗磯前神社を参拝した水戸黄門様で有名な徳川光圀公が、神磯を見た時に詠んだ和歌が残ってます。
ー あらいその 岩に砕けて 散る月を 一つになして かへる月かな ー
と神磯の絶景を讃えた和歌を詠んだそうです。

歌の意味は「岩に砕けては幾千に散る月影、それをまた1つの月影に戻して引いていく大いなる波よ」

光圀公は、大洗磯崎へ夜に訪れた時に詠まれた歌なのでしょうね。夜の静寂の中、岩礁に荒々しく打ち寄せる波の音と夜空に光る星々と月の明るさだけで、浮き上がる神磯の鳥居の神秘さに感動したのでしょう。しかし、夜ばかりが『神磯の鳥居』の絶景を楽しむスポットではないです。

日本有数の日の出のスポットでも有ります。その為、大洗磯前神社に旅館が多数存在し、神磯の鳥居と御開帳の合わさった写真を撮ろうと多くのカメラマンが殺到してます。

訪れた当時は、丁度お昼前ですが若いカップルが鳥居を眺めながら、ぼんやりと過ごしてる姿を見かけました。パワースポットよりもデートスポットの一面もあるので、まさに縁結びの効果です。

大洗を訪れた際は、「大洗磯前神社」に訪れてみては如何でしょうか?「酒列磯前神社」も一緒に訪れるのもオススメです。