奇想天外摩訶不思議な競馬の世界、『血統史たらればなし』

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菊花賞、ジャパンカップの予想で、血統表とにらめっこする機会が多いと思います。世界の名種牡馬なら日本の競馬ファンも馴染みが深いが、マイナー種牡馬だとちんぷんかんぷんです。血統の勉強も必要でしょう。今回は競馬の血統を学ぶ初心者向けの書物の紹介です!

奇想天外摩訶不思議な競馬の世界、『血統史たらればなし』

競馬はブラッド(blood)のスポーツで有ります。何百年もかけて、脈々と受け継がれていくサラブレッドの血脈は、時には偶然の産物も有れば、はたまた悲劇的な結末を産むことが有ります。歴史において、ifの単語はタブーですが、人間の想像と言う誘惑には勝てず、ついつい答えの出ない迷走へと足を踏み込んでしまいます。本書は有名馬、無名馬のエピソードを集めた100頭にあり得た別の生涯とそこから繋がる幻の現在を考察する競馬歴史短編集である。

競馬において、競走馬と種牡馬、繁殖牝馬で過ごす時は、全くの別世界であり、評価も変わります。競走馬時代にいくら偉大な成績を遺しても、種牡馬成績が悪ければ、血統表にすら名前を刻むことが出来ない終わるケースも多々存在します。

逆に、ディープインパクトが偉大な競走馬として注目されたお陰で、成績もぱっとしない全兄のブラックタイドが種牡馬になることが出来て、種牡馬として偉大な産駒を多く輩出し、種牡馬での地位を確立するケースも多々に有ります。

先にも述べましたが、歴史においてはifはタブーです。しかし、ドバイミレニアムように短命で終わらずに、長生きをして多くの産駒を、世に輩出し続けたら、競馬界の血統も違う世界を構築されたでしょうかと、想像します。

この他にも、もしサンデーサイレンスが日本に来日しなかったら、日本の競馬界はどのように変わったのか等と、色々とifを定義したり、登場する競走馬及び種牡馬のそんな逸話、エピソード等を交えながら、競馬の歴史にどのような影響を与えたかと語り尽くす作品です。

私自身も知らない競走馬、種牡馬が多数登場します。難しい解説もなく、ただこの馬の曾祖父になる馬か程度に気軽に読める面白い作品になっており、最後の4コマ漫画が良い感じでのオチへと繋がる作品です。

興味が有る方は『血統史たらればなし』を手に取って見ては如何でしょうか。競馬の血統の入門書と言うよりも、競馬の雑学程度になる作品ですが、読み応えは有ります。もちろん、競馬予想には全く役には立ちません(笑)