そして、おでんは熱かった!!黒おでんの総本山、日本橋『お多幸』

中央区,日本橋,食べ歩き

1月に入り寒さが冷え込んできた今日このごろ。この時期は熱い食べ物の鍋などが人気で食卓や飲食店のテーブルにあがり、人々の心を温めてます。ツレは料理はアツアツに限ると考えており、テーブルにあがった時には湯気がでないと納得いかないらしいです。この前も某チェー店の煮込みに文句を言ってました。

そして、おでんは熱かった!!
黒おでんの総本山、日本橋『お多幸』

本日のおでんの具

先ず、ビールで乾杯!!

去年、神楽坂のおでん屋で食した時に、ツレの発した「このおでん、ちょっと生ゆるくない?」が果たしてどうなのかと論争を呼び、熱々のおでんが本当のおでんではと言う「おでん論争」の決着を求めて、東京の老舗中の老舗店『お多幸』に訪れるのですが、行列の長さを見て心折れて、入店するのを諦めた拙僧とツレ。その後、八重洲の隠れ名店『矢澤』を知ることが出来たのですが、それから一年が経ち「おでん論争」に決着、遂にリベンジの時がやって来ました『日本橋 お多幸本店

お多幸』の歴史は旧く、関東大震災のあった1923年(大正12年)に「太田幸」という方が創業したおでんの老舗で、店名は創業者の名と「皆様に幸多かれ。」との願いから命名されました。その後、『お多幸』は暖簾分けを繰り返し、多くの街で「お多幸」の看板を見掛けるようになりましたが、日本橋に在る『お多幸』の総本山に当たります。元々銀座5丁目(ソニービルの隣)に店を構えてたのですが、2002年7月から日本橋に移転オープン。『お多幸』のおでんの特徴は、なんといっても甘辛くて濃い関東風のおでん出汁だ。かつおと昆布、砂糖、醤油で仕上げた後、鍋に残った出汁を長年、つぎ足しながら味を守り続けています。

しらたき、きゃべつまき、たけのこ

しらたき、たまご、ちくわぶ

牛すじ

寒い日に熱々のおでんを求める猛者!!

以前訪れて『お多幸』の味を求める行列の長さに驚き、戦意喪失で他の御店を求めて彷徨った時から1年後。今度は平日19時半頃に集結し、既にお多幸の味を求めて10組以上の猛者が寒い夜に並ぶ状態です。周りの飲食店はこの行列を見て羨ましがるでしょうね。ちなみに、拙僧の前のカップルは行列の長さと時間とのプレッシャーに絶えきれずに、戦意喪失で列から離脱。一年前の拙僧たちを思い出すようなデジャブーです。しかし、今年の拙僧たちは違います。先ず、最初のおでんの具を何を注文しようかとシュミレーションしながら、寒さに絶え列が進むのを待つのでした。19時半から待ち合わせしたのは、日本橋『お多幸』は平日17時オープンならば、丁度19時半くらいから20時の間で一回転して入店しやすいのではと思案が巡ったのですが、実際に並んでみれば、皆考えることは同じで長蛇の列です、浅はかですねw

最初に何を頼もうかとスマホ眺めて色々と頼む具の打順を考えてると、ネットの口コミはトマトと牛タンが鉄板オススメらしく、トマトは夏季限定らしいです。写真を見てるとトマト丸まる一個を煮込んだおでんってどんな味なのだろうと想像力を掻き立てます。でも、夏季限定で食べれずに残念です。ツレと一緒に打順の組み立てをしてると、数組の御客様が店を後にする姿が見え、意外と列が進み始め待つこと30分で、遂に店前の狸の信楽焼に到着。テンションがアゲアゲMAX状態で待ってると、ようやく案内されて何と1階カウンターに座ることが出来る幸運に巡り会えて、寒い中待った甲斐が有りました。

こぶまき、ごぼうまき、つみいれ、こんにゃく

いいだこ

はんぺん、ふくろ、だいこん

滲みる江戸のおでんの味、豊富な具材、自慢のとうめし、そしておでんは熱かった!!

念願の『お多幸』に入店できて、しかも憧れの1階カウンター席に案内されて有頂天の拙僧。しかし、食べたかった「牛タン」が既に売り切れで、テンションは直ぐに落ちました。それでも、厨房から香る何とも言えない美味しいおでんの風味が食欲を沸かし、直ぐにテンションがMAX状態に復活。『お多幸』はおでん専門店かと思いきやビールを頼んでメニューボートを見ると、刺し身に焼き鳥と色々と一品料理が豊富で、おでん一本で勝負してる訳でなく、あの寒い中を皆で並んで待ってるのはおでんだけでないのかと思うと、驚きに絶えません。

まあ、色々と考えてもしょうがないので、雑念を捨ておでんを食べることに集中して、先ず最初に拙僧は「しらたき、きゃべつまき、たけのこ」、ツレは「しらたき、たまご、ちくわぶ」を、あと牛タンが無いので「牛すじ」を注文。店内は大盛況でテーブルに出るまで少し待ちましたが、赤皿におでんの具材が載せられて登場。思わず、「おでんってこんなに黒かったっけ?」と頭の中にはてなマークが連打されたのですが、しらたきを食べた瞬間に、甘いおでんの汁が口の中に広がって、「しらたき、旨し」です。たけのこっておでんの具なのかと思い食べてみるとこれがまた美味い!!牛すじも油身が口の中に広がり、おでんの汁と相まってこれも旨しで、『お多幸』のおでんはハズレがなく、まさに老舗の味です。

1階のおでん厨房!!

とうめし、ハーフとうめし

豆腐がデカイ!!
2019122011

拙僧はコンビニのおでんは食さないので、おでんの具はそれほど詳しくなく、目の前に張り出されてるおでんの具のお品書きに目を向けると、とまとの文字を見つけ食べてみたい衝動に駆られますが、眼の前のお品書きを制覇を試みるため、とりあえず一個づつ注文しようと「こぶまき、ごぼうまき、つみいれ、こんにゃく」・「いいだこ」・「はんぺん、ふくろ、だいこん」と注文。よく煮込まれた具の数々は、まさにおでんの汁と相まってどれも美味しいですね。創業以来、代々継ぎ足されている、甘辛い秘伝の出汁がしっかりと染みた具は絶品です。この秘伝の出汁は、関東でもひときわ濃い色が特徴なんですよ。この濃さが忘れられず、やみつきになり、色々と具を頼みすぎて少しお腹が張ったので、メインの「とうめし」を注文しました。

とうめし」とは、おでんのおつゆをたっぷりかけた茶飯に、じっくりと煮込まれた豆腐が乗っけたごはん。なめらかな口当たりのお多幸特製豆腐と、鰹節と日高昆布をダブルに使用した秘伝の甘辛出汁がしみこんだ「とうめし」は、創業当初に常連さんの希望で生まれた裏メニューでした。これがあまりにもヒットしたため、日本橋に移転したことを機にメニューにのぼるようになったそうです。煮崩れしないように慎重に煮込まれた豆腐がお椀の上に乗ってるはインスタ映えにもなり、今ではランチ定食の定番になりました。
拙僧もツレも「とうめし」が食べたくて、「とうめし」とハーフサイズ「とうめし」を注文。女性向けにハーフポジションも有るのは有り難いです。しかし、茶飯の上に豆腐を乗せる発想って昔の人はグルメですね。見た目は全然合いそうにもない組み合わせですが、口に頬張ると「これはこれで有りだな、いやいや美味しいじゃん」と心のそこから思いました。「とうめし」の味を堪能しました。

まさに老舗の味を思う存分堪能しすぎて、お腹がはち切れんばかりに身も心も満足です。『お多幸』の味が愛される所以を実感しました。今度訪れたときは、「牛タン・とまと」を食してみたいですね。そして、『お多幸』のおでんは熱かったです!!

信楽焼の狸に別れを告げ!!