『CORD BAR』で旅の疲れを癒す

食べ歩き

2022年9月30日に六代目三遊亭圓楽の訃報が届いた次の日、10月1日に今度はアントニオ猪木が亡くなった。昭和を代表するスターの訃報は悲しいの一言に尽きる。六代目三遊亭圓楽襲名披露口上の時に、仲間の噺家から六代目の人柄を讃える口上は笑いを誘った。テレ朝で流れた新日本プロレスの数々のアントニオ猪木の名勝負には、次の日学校で語り合ったモノだ。数々の感動を頂いた両名に対して、心からご冥福をお祈り申し上げます。

『CORD BAR』で旅の疲れを癒す。

横浜中華街でぶらぶらと飲み食いをして、山下公園で横浜の海を眺めて、ふらりと夜風に当たりながら『ウェスティンホテル 横浜』戻ってきました。

不意に飲み足りないという衝動に駆られて、訪れたのが、『ウェスティンホテル 横浜』内のバー『CORD BAR』です。『CORD BAR』の由来は、カクテルに郵便番号が付番されているので、この店名だとの説明でした。とりあえず、1杯目は郵便番号の付番がつくオリジナルカクテルからチョイス。

私が選んだのが、『〒231-0004 とりあえず、浜』。かなり変わったネーミングですが、郵便番号を検索すると、神奈川県の県庁が存在する郵便番号。神奈川県と言えば、横浜に県庁があるから、とりあえず、横浜からもじったのでしょうか(笑)

『〒231-0004 とりあえず、浜』は看板メニューと言えるカクテルです。一口味わうと、変わった風味に驚きます。味醂、梅ジャム、レモン、そしてソーダがミックスされたカクテル。味醂を使用するとはかなり攻めたカクテルなのでしょう。

お酒のおつまみは、オリーブとおかき類です。日本のバーでは定番のおつまみで、箸休めならぬ、飲み休めに丁度良いです。

次に頂いたカクテルが『ギムレット』は、私がバーでは必ず飲む定番のカクテルです。ライムの酸味が程好く、シェイクすることで氷が砕けて清涼感が増します。ジンの扱ったカクテルでは、東の横綱『マティーニ』に対して、西の横綱『ギムレット』と呼ばれる程の人気のカクテルです。

ギムレットの名前の由来は諸説有りますが、19世紀のイギリス海軍において、長い航海中にビタミン不足で体調を崩すことが多かったようです。軍医ギムレット卿が、その対策として、ジンを飲んでいるところにライムジュースを混ぜて飲ませたことがギムレットの源流と言われています。そんな大航海時代に産まれたギムレットのカクテル言葉は、航海をイメージしてなのか、『遠い人を想う』、『長い別れ』です。

高層階から眺める光景は、車のテールランプが蛍のように見えて、非現実な世界が旅の疲れも癒してくれます。そんな儚い空間に別れを告げるべく、『ギムレットには早すぎる』と独り呟きながら、余韻にしたり、『CORD BAR』を後にするのでした。