3年連続ビブグルマンに輝くあなご料理『日本橋 玉ゐ』

中央区,日本橋,食べ歩き

或るインポートのショップが閉店のお知らせが来た。
表参道や大阪に御店を構えて、雑誌にも掲載された御店がいきなりの閉店とは、まさに青天の霹靂。
有名なブランドメーカーを取扱ってたので、人気の有るショップと思ったのですが、何で閉店とは悲しいですが、やはり最近のインポートブランドの高騰が大きな原因なのかな?と思うのですが、長い間の営業お疲れ様でした。

あなご料理『日本橋 玉ゐ』に訪れて!

再開発が進む日本橋界隈で、中央通りと永代通りの交差点から、日本橋高島屋方面へと足を向けて、一歩裏通りに入ると、近代的な高層ビルが乱立する新しい時代の流れの中で、まるで時代の流れに逆らうように、古き良き時代を感じる建物が目に入ってきます。暖簾はただ『あなご』の三文字が描かれてる御店が、今日訪れる御店『日本橋 玉ゐ』です。
昭和28年に建てられた一軒家を改装して、もとは酒屋だったこの場所に日本初のあなご専門料理店を開業した『日本橋 玉ゐ』。歴史が旧い老舗と思いきや、御店としては2005年に創業したまだ新しいです。元々寿司職人だったオーナーが、仲間の職人たちと始めたのだという。日々精進した成果か、ミシュランガイド東京版に2015年から3年連続で「ビブグルマン」(従来の星評価から外れるが、安く美味しいオススメの御店与えてる称号)を獲得してます。

お通し

ツレがあなご好きなので、以前から行きたがってた『日本橋 玉ゐ』に向かうのですが、年中無休で営業をされてるので、予約をせずに16時半に御店に到着しました。開店同時に訪れたのですが、係員の方が1時間半のご利用で構いませんか?とのお断りの上での入店。店内は直ぐにカウンター席が有り、テーブル席が奥へと広がってる段差がある造りで、店内は木の温もりある内装で昔ながら木造建築物です。

席について、とりあえずビールを頼み、何を頼もうかとお品書きに目を通して考えると、あなごの竜田揚げ、あなごの串焼き、あなごの天ぷら、、、と、お品書きの端から端まであなご料理だらけの一品料理(笑)お品書きを裏返すと、普通の居酒屋に有る一品料理が載ってます。あなごを使った料理の一品の数々ですが、見渡すだけでどんな料理かと店員の方に聞かないと分からない一品も有ったりと、あなご料理のレパートリーが豊富で、赤文字で書かれた一品がオススメとの事でした。さてと、豊富な一品料理の中から選んだのが、「穴子の焼きなめろう」「穴子の天ぷら」「あ巻き」をチョイス。「穴子の焼きなめろう」は穴子を叩いて下拵いしてから焼き上げたのでなめろうと言うより薄くしたハンペンみたいで、甘くて美味しかったです。「穴子の天ぷら」は塩で食べて方が美味しかったです。箸休めの獅子唐も良い感じでした。「あ巻き」は最初何だろう?と思いましたが、「う巻き」をもじって「あ巻き」でした。玉子焼きのボリュームがが凄く、中に穴子が有るという至ってシンプルですが、素朴で美味しかったです。
ビールの空いたので、次に何を飲もうかと思案してたら、魚料理なので日本酒を飲もうかと思ったので、店内に貼られた「あなご酒」をお願い。「あなご酒」も「ヒレ酒」をヒントに考案されたお酒で、超熱燗にマッチでアルコールを飛ばすのですが、最初の一口で口に含んだだけで咽ました(笑)。ちびちび飲むと癖になる味でもう一杯頼もうかと思った所、店員の方から「お食事は?」と聞かれ断念しました(笑)。

穴子の焼きなめろう

穴子の天ぷら

あ巻き

あなご酒

合いのせは、まさに格別の味!!

ふと食べながら、「何故、穴子専門店は少ないのか?」と穴子を食しながら思った疑問でした。こちらの玉ゐさんも創業は2005年からです。穴子専門店が少ない理由は、もっとも美味しい穴子が獲れる時期が梅雨から晩秋に集中しているため漁獲時期が限られてる為です。この問題に対して、玉ゐが取った行動は「この時期に一年分の穴子を仕込んでしまう」という事。一年間に約10数万穴子を捌いて煮付けた後、マイナス60℃以下の特別な冷凍庫で保存します。お陰で毎日美味しい穴子を食べることが出来るのです。

さてと、玉ゐの名物料理「あなご箱めし
まさに真打登場ですね~♪箱めしは小箱、中箱、大箱と分かれています。その他に「めそ箱めし」が有ります。「めそ」とは、成魚の中でも小ぶりの穴子を指しますが、「めそ」と言っても写真を見ても分かるように、かなりの大きさの穴子です。今回はお酒も飲んでるので、少量で合いのせも楽しめる「めそ箱めし」と「あなごの出汁」を選びました。合いのせとは、本来は煮上げと焼き上げのどちらかを選ぶのですが、両方味わいたいお客様の為に、合いのせとして煮上げと焼き上げを両方載せたのが、「合いのせ」です。(小箱は合いのせは不可)。箱めしに載ったあなごを一口食べ比べたのですが、個人的には煮上げはふっくらとしてタレに合って美味しかったです。ツレは焼き上げが美味しいと言ってました。薬味皿に胡麻・山葵・葱、摩り下ろした柚子、卓上の山椒と様々な組み合わせで、楽しむことが出来ます。
タイミングを見計らって、御店の方がアツアツの出汁を持ってきてくれます。これを備えてあるお茶碗に少し注いで飲んでみると、さっぱりとしながらコクが有って旨いです。その後、あなごの出汁を使って、穴子茶漬けで楽しむと違った味わいを楽しむことが出来るのです。お会計の時の、フクロウのお皿は可愛かったです(笑)

大衆(マス)が普及する中で、人間とは不変な大衆(マス)よりも、何かに特化(レス)を好む傾向にあります。最近の飲食店は、特化した飲食店は多いのも、レスマス効果と言われますが、『日本橋 玉ゐ』はレスの優等生でしょう。ビブグルマンに選出されたのが、その証拠です。
穴子料理を楽しむというよりも、日本橋に遊びに来たら、是非寄ってみて欲しい御店です。興味に有る方は、『日本橋 玉ゐ』にお立ち寄り下さい!!

めそ箱めし

上が煮上げ、下が焼き上げ

あなごの焼骨の出汁(右の鉄急須)

メニュー内のオススメの食べ方紹介