引き継がれる江戸前の味『土手の伊勢屋』

台東区,食べ歩き

ゴールデンウィークの某日、日比谷線「三ノ輪駅」 下車。
駅の階段を登り地上に出て見渡す限り、のどかな街の風景が続きます。とりあえず、目的に目指すために浅草方面へと伸びる「馬道通り」をてくてくと歩く。ゴールデンウィークの影響で人通りも殆ど無く、行き交う車もまばら。暫く歩くと「あしたのジョー像」が見えて、まさに下町の雰囲気を醸し出す街並み。その先に如何にも古そうな古民家を発見。今回訪れたのは、天ぷら『土手の伊勢屋』です。

江戸前天丼、老舗の味を伝える
『土手の伊勢屋』

明治22年創業(1889)の老舗の味

初代店主「若林儀三郎」が江戸遊郭唯一の出入り口「吉原大門」に創業。当時、店の前に「土手」が有ったことで『土手の伊勢屋』と呼ばれました。
創業より吉原を訪れるお客様でお店は繁盛。朝は朝帰りのお客さん。昼は一般のお客さん。夜は吉原に勤めているギュウタロウ(客引き)など。夜中には吉原遊郭への出前。24時間体制でお店を運営して参りました。

現在の『土手の伊勢屋』を代表する「イ・ロ・ハ」は、通常「松・竹・梅」などの名前にしますが、それぞれ一品に「良さ」があるので格付けをしたくないという店主の思いから、「イ・ロ・ハ」と名付けられています。

登録有形文化財にも師弟された建物は東京大空襲で焼け残った木造建造物では珍しく、周辺の建物はほぼ焼けてしまったが、『土手の伊勢屋』は奇跡的に風向きが変わり、焼け残っておりました。
また、店内に使用している木材が「ひのき、けやき、さくら、日本杉」を使用していることも評価されています。

『土手の伊勢屋』のパンフレットより抜粋

盛りだくさんの天ぷらにお腹が、、、

午前11時前に到着したのですが、その時点ではかなりの人の列で渡されたパンフレットを見ながら、何を注文するのかと店員さんが聞いて歩いてました。当日は日差しが強く、お店の人が貸してくれた日傘を指しながら、渡されたパンフレットに目を通しながら、何を食べて腹を満たそうかと行列に並びながら思案してました。

やはり早い時間帯に来ないと、開店一巡目には入ることは出来ないほどの人気店です。並んでる時に店員さんが注文を聞いて回ってましたが、ここでご飯の量を聞かれます。男性なら普通で良いかも知れないですが、女性は少な目にした方が無難です。天ぷらは油っぽいので胃に持たれる事が多い方は、ご飯の量は少なくした方が完食しやすいと思います。
それだけの天ぷらのボリュームです!!

まず、喉を潤して!!

天丼(ハ)

天ぷら定食(天ぷらの盛り合わせ)

別のアングルから

豪快の一言!!天ぷらのオンパレード

入店してから、ビールをとりあえず一杯頂いて!!お通しは穴子の骨を揚げたを出して貰いました。外の暑さで結構喉が乾いてたので、まさに美味いの一言です。
店内はかなりの古民家で改築を重ねた時代の古さを

今回訪れたときは、天ぷらのネタは、穴子・海老・小エビのかき揚げ・・ししとう・レンコン・ミョウガ、旬の魚で鯛の稚魚のカスゴ、キスの代わりでタラです。これだけのネタが丼にいっぱい載せられてると圧巻の一言です。女性の方は食べきれるか心配になる量です。しかしこのボリュームなら普通の良いお店では良いお値段するのでは思いたくなります。しかし衣が厚いので、やはり油っぽいの苦手な方は天ぷらの量をセーブしたほうが良いでしょう連れは天丼ハを頼んでギブアップしました。それだけのボリュームなのです!!

最近の高級志向の天ぷら屋さんとは違い、昔ながらの庶民に親しまれてきた味と技術を現代に継承してきた『土手の伊勢屋』。創業から味を変わらず伝えていく江戸前の天丼にご馳走様でした!!

小天丼となめこ椀

お吸い物

なめこ椀