雑居ビルの天使が調理する塩らーめんは、禁断の味 新橋『はるちゃんラーメン』

港区,食べ歩き

以前より気になってた新橋のらーめん屋『はるちゃんラーメン』。二回程訪れたが、定休日と営業時間終わりで食べることが出来なかった。先の教訓を活かし、早めの夕方時間帯で訪問。新橋らーめん界隈で人気店であり、食べログトップ5000に選出されるらーめんを味わいたいと思う。

雑居ビルの天使が調理する塩らーめんは、禁断の味 新橋『はるちゃんラーメン』

雑居ビルの一階に店を構え、店先の前には自動発券機が置いてあり、たった5席のカウンター席のみで営業してる。発券機はキャッシュレスで、現金オンリーのらーめん業界にしては珍しいお店だ。私は「特製中華そば」を購入し列に並ぶ。女性ひとりで切り盛りしてるので、食券を買ったら声が掛かるまで列で待機です。

声が掛かったので、着席して食券を渡す。店内を見渡すと、女性ひとりがかなり狭いスペースで、ワンオペで作業をこなす姿を見て感心する。調理場等の写真撮影は禁止の貼り紙があり、室内の壁に目を遣ると、日テレの有名女子アナのサインが感謝の言葉と共に、壁に書き込まれてる。かなり有名店でらーめんへの期待が増幅される。

らーめん業界では、ニボ系等の隠語が遣われてる。今回訪れた「はるちゃんラーメン」は、「~ちゃんラーメン系」と言うジャンルの存在する事を初めて知った。「~ちゃんラーメン系」の定義は何かと言うと、「スープは縁までなみなみ」「チャーシュー切り立て」「ラーメンライス最高峰」「もり中華スライス玉子」「麺は中太平打ち高加水麺」だという。多少の例外は有るにしろ、「~ちゃんラーメン系」の共通要素である。

「はるちゃんラーメン」は「~ちゃんラーメン系」の中でも、最高峰に位置し、多くの門下生がのれん分けし、独立を果たす、ラーメン会の虎の穴で有ると同時に、ミシュランガイドで「ビブグルマン(価格以上の満足感が得られる料理)」に掲載された名店だ。

ミシュランガイドの公式Webサイトによれば「“ビジネス街のオアシス”として知られる新橋駅前ビルの中、女性店主『はるちゃん』のひたむきな姿が目に留まる。看板や壁に描かれたポップアートが象徴的。中華そばは、豚骨と煮干しのだしに塩とラードを利かせ、平打ち麺はふっくらとした食感を求めた。胃袋を満たす熱々の一杯が一日の活力となる」と、選定理由が寸評されている。

目の前で調理してる女性が、多くの弟子を輩出してる女仙人とは驚く。私には、「オヤジの巣窟と呼ばれる雑居ビルで、可憐な淑女が塩らーめんを作り出す、らーめん会の天使」に思える。妄想が膨らみ過ぎてヤバイ方向へと進んで行く。そんな妄想男の前に、はるちゃんラーメンの特製中華そばが登場。

見た目は清湯系の醤油らーめんのように見え、昔ながらの中華そばです。とりあえず、レンゲで一口すすると、まろやかで優しい塩味のスープが、口の中に広がります。豚と煮干しをベースに、洗練された旨みをきかせたクセになる味わいが特長で、スープの塩味が一度啜ると病みつきになり、レンゲが止まらない。

もっちりした中太の平麺は、箸で啜るとツルツルして食感たまらない。チャーシューは豚バラ。脂身が多いトロトロの部分と肉肉しい赤身の部分が混在してますが、切りたてで出してくれる柔らかくて美味しいチャーシュー。そして、丼の真ん中に飾られたお麩が、見た目の洗練させてくれます。

食べた感想は、麺の量は大盛りにすれば良かったと後悔したぐらいで、うんちくを語るほど、らーめん通では有りませんが、素直に美味しい塩らーめんでした。また訪れたいと思います。